「まずはやってみる」から始まったバックオフィスのデジタル化。自走できるまで伴走してくれた信用金庫とともに、 挑戦し続ける組織へ

社長就任を機に決断したバックオフィスのデジタル化、そして当金庫による伴走支援のプロセスについて代表取締役社長の中村 綾佑さまと経理の内藤 栄俊さまにお話を伺いました。

当社は1960年、農機具などのめっき加工からスタートしました。ただ、農機具は季節による繁閑の差が非常に激しかったため、年中安定した事業にしたいと考えていました。そこで、耐摩耗性や耐腐食性に優れた「機能めっき」へと業種転換を図ったのが大きな転機です。
その後、和歌山県に機械加工工場を設立し、材料の調達・加工から最終仕上げのめっき処理までを一貫して請け負える生産体制を構築してきました。また約10年前には「研究開発部」を立ち上げ、補助金なども活用しながら、他社が参入しにくい難易度の高い技術や世の中にない新技術の開発に挑戦し続けています。


私が社長に就任した当時、経理業務そのものに深刻な問題があったわけではありません。ただ、会社全体が長年の「職人気質のアナログな体質」だったため、これからの時代に合わせて社内のデジタル化を進めていく必要性を感じていました。
どこから手を付けるべきか検討した結果、会社全体の中で最も取り組みやすく、スタートのハードルが低いバックオフィス領域(会計や勤怠管理など)から業務改善を着手することにしました。

(経理担当:内藤さま)一番苦労したのは、自分自身の「頭の切り替え」ですね。
長年使い慣れていた従来の会計ソフトや紙ベースの手作業に身体が馴染んでいたので、新しいクラウドシステムや運用のルールに適応するまでに、個人として少し時間がかかりました。長年の習慣から脱却して新しいやり方に慣れていくプロセスが、一番のハードルだったと感じます。

先代の頃から深いお付き合いがあったことに加え、大阪シティ信用金庫からタイミングよく積極的なご提案をいただいたのがきっかけです。
経営者として試算表などの財務数字をタイムリーに把握したかったこと、そして「専門的な経理知識がなくても誰でも扱えるシステム」という点が、自社が抱えていた業務の属人化を解消する決め手になりました。

クラウド会計やクラウド型勤怠管理システムの導入にあたり、非常に手厚いサポートをしていただきました。
当初は「半年程度」と予定していた導入支援期間だったのですが、私たちがしっかりとシステムを理解し、自走できるようになるまで、結果、約2年間にわたって根気強く現場に通い指導してくれたんです。
その手厚いサポートのおかげで入力作業などの時間が大幅に削減され、今では経理担当者が会社の本業であるめっき業務も兼任できる「マルチプレイヤー」として活躍してくれるまでに生産性が向上しました。

バックオフィスでの成功体験をきっかけに、会社全体に「デジタル化が進んでいる」という前向きな意識の変化が生まれました。現在は見積もり業務の効率化やデータ解析を目指し、業務アプリ構築ツールを活用した次のステップの支援も受けています。
また、グループ会社(帝国イオン TECHNICAL)へもクラウド会計を横展開し、分社化に伴う経理運用のスムーズな立ち上げに成功しました。
バックオフィスの効率化で生まれた時間と意識の変化が、2026年9月末から開催される「高機能マテリアル展」への出展をはじめとする、先端技術開発や新事業への挑戦を強力に後押ししてくれています。

単に事業資金を貸し出すだけの存在ではなく、自社の業務内容の洗い出しや、私たちが気づいていない課題の発見から一緒に入り込んで支援してくれる「泥臭く頼もしい伴走者」です。
疑問があれば納得いくまで親身に教えてくれますし、決して押しつけがましくもなく、こちらの状況に合わせたベストなタイミングで提案やフォローをしてくれる点も、本当に感謝しています。
まずは「やらんよりは、まずやってみる」という挑戦する姿勢が一番大切だと思います。実際に動いてみないと見えてこない課題や大きな成果が必ずあります。
そして金融機関を単なる資金調達の場として見るのではなく、自社の課題を一緒に見つけて改善してくれるパートナーとして、どんどん頼ってもらうことをおすすめしたいですね。

